MIRU2019 初日Tutorial振り返り

MIRU2019 初日Tutorial振り返り

MIRU2019が7/29より始まりました。
第22回 画像の認識・理解シンポジウム (MIRU2019) — 第22回画像の認識・理解シンポジウム (MIRU2019)

早くビール飲みに行きたいので,手短にチュートリアルの感想などを記録しておきます。

Generative Adversarial Networksの基礎・発展・応用

NTTコミュニケーション科学基礎研究所 金子卓弘さん

  1. GANとVAEは知っていたが,それ以前のAuto Regressive Model,Flowなどは知らなかったので勉強になった。
  2. GANの発展の流れをデータセット,入力の条件付け,ネットワーク構造,目的関数という明確な区切りで説明してもらって分かり易かった。
  3. 個人的には生成モデルの研究者はデータ然り,目的関数然り,本質を見る力が高いように思いました。

特に3点目は重要だと思うんですよね。綺麗なデータを生成することを目的にすると,企業・人によっては何のためにやってんの?とちょっと冷たい目で見られるとこもある気はするんですが,実はそんな彼らの方がデータをよく見てるという。そういう副次的な効果でどう説いていったら良いのかな。私もGANそのものの研究とはいかずとも,色んなタスクへの応用としては使えるようにしたいですね。

近似最近傍探索の最前線

東京大学生産技術研究所 松井 勇佑さん

  1. 入力クエリがどの辞書データと近いかを探す問題
    Webアプリなどで需要の高いの高い問題(メルカリの類似商品サーチ機能など)
  2. 距離計算を厳密に行い解く方法
  3. 近似的に距離計算を行う方法
  4. Pythonライブラリとしてはfaiss,nmslibが強力

正直理解が全然追いつきませんでした…。
こういう時に実感するのが計算機科学,アルゴリズムに対する素養のなさですね。
いつか基本的な内容は一通り学びたいところ。計算をうまく怠ける方法はスケーラビリティの観点でもきっと必要になるであろう内容です。

グラフ信号処理〜基礎から応用まで〜

東京農工大学 田中 雄一さん

  • グラフの行列表現からグラフフーリエ変換の導入
    知っている人には自明かもしれないが,グラフラプラシアン固有ベクトル展開でフーリエ変換が表現できるのは面白かった。
  • フィルタリング(Graph Convolution)
    空間的なシフト不変性がないため,GFTした空間で畳み込んでIGFTで戻す
  • グラフ頂点のサンプリング
    なるべくinformativeなサンプリングをしたい。研究が現在進行形で進んでいるところ。
  • グラフ構造の学習
    点群は2D画像のように構造化されていないので,グラフと親和性があるように思いました。

Graph Convolutionは熱いという声はちらほら見かけていましたが,内容を全然知らなかったので良い勉強になりました。
画像を扱っていると構造化データが当たり前のように感じてしまいますが,世の中そうじゃないデータの方が多数ですからね。私は物忘れが激しいので,頭の中のグラフがイケてないのかもしれません。

『視覚は孤立に存在しない!』からグラント獲得スキルまで教えます

大阪大学先導的学際研究機構 共生知能システム研究センター 浅田 稔さん

  • ビジョン・ロボティクスに止まらず,様々な分野からヒントを得ようとしている
    分野を超えて考えることが重要。
  • 人の心を読め
    何かを伝えたい時にはとても大事なことだと思います。
  • 最後をMINORUで締めるのはオシャレ

すごくエネルギーを感じました。私は自分の興味対象にフォーカスしてしまいがちなのですが,そうすると他者とも真っ向勝負になってしまい分が悪い上に新しさもないというのは耳が痛いところです。まずは明日から視野を広げられるように学会を有意義に過ごしたいと思います。

余談

  • 大阪ってセミの鳴き声デカくないか?
  • 意外とコテコテの関西弁が聞こえてこない。
  • やぱ暑い…けど会場は寒い。明日も長袖は持ってこ。
  • やっとビール!(21時回ってしまった)